2008年 01月 23日
オーバー・ステイ |
先日ここにしたためたように、俺はインドネシアの入出国に際して賄賂を払ったことはないが、ちょっとした不注意で罰金を払う羽目におちいったことがある。
原因はオーバー・ステイである。
インドネシアでは、観光ビザで入国した場合の最長滞在許可日数は30日である。これを超えた場合、一日毎にUS20ドル(だったと思う)の罰金が科せられる。
実は数年前、某航空会社が発売している30日FIXチケットを購入、出国日をチケットの有効期限ギリギリに設定したことがあるのだが、帰国日が目前に迫り、スケジュールを確認していたときに、なにかおかしいことに気がついた。入国日から計算すると出国日は31日目に当たっていたのだ。
なんと、30日FIXチケットとは、「現地滞在最長30日」ではなく、「現地泊最長30日」だったのである。
今更慌ててもしょうがない。なにせFIXチケットであるからして、帰国日の変更は不可能。「出国審査の時に面倒なことになるだろうなぁ・・・」と、覚悟した。
(写真はヤマサリのアンドン・ステージに出入りしている猫。勿論、本文とは全く関係ない・・・)
そして当日、出国審査カウンターに並ぶ俺。すぐ後ろに並んだ若者に、「俺、オーバー・ステイしているから多分時間がかかると思う。早くここを通過したいなら別のレーンに並んだ方がいいぜ」と告知する。あ、俺の番だ。
若くて真面目そうな出国審査官はパラパラとパスポートをめくり、コンピュータでカチャカチャと事務的に処理を進める。賄賂の要求はない。
と、彼の手が止まった・・・
「ん?」
「(来たな・・・)何か?」
「あなた、1日オーバー・ステイしてますよ」
「(やはりそうか・・・)私もその可能性があることに気がついていました。しかし、私は○○航空が販売している30日FIXチケットで来ており、その期限が今日なんです。この30日FIXという設定は観光ビザでの滞在期限に合せてのものだと解釈しているんですが・・・」
「どの航空会社がどんなチケットを売っているのか私は知りませんし、それを把握するのは私の仕事ではありません」
「(まともなこと言うなぁ・・・)そりゃそうですよね・・・」
「事実として、あなたが入国してから本日で31日目なんです」
「それはわかります・・・」
「オーバー・ステイには罰金が課せられます」
「わかっています・・・」
「ペナルティは一日あたりUS20ドルなんですが・・・」
「知っています・・・」
「でも、先ほどの話を聞くと、あなたが勘違いしたのもわからないでもありません・・・」
「でしょ?」
「・・・どうします?払う気になれます?」
「・・・そりゃ、決まりなら払わなくちゃいけないでしょう・・・払いますよ」
「ご理解頂き、ありがとうございます」
真面目な奴である。俺は感心した。
「で、どこで払ったらいいんですか?」
「ここで払ってください」
「え?誰に払えばいんですか?」
「私に払ってください」
「は?・・・書類上の手続きは?」
「いりません」
「・・・そういうなら・・・はい、20ドル」
「ありがとうございます」
「これで問題ありませんね?」
「はい」
なんか釈然としないが、とりあえずパスポートに出国スタンプが押された。用事が済めばこんな所に長居は無用である。さっさとその場を立ち去ろうとすると、彼が後ろから声をかけた。
「あ、ちょっと待って下さい」
「何か?」
「また来る予定はありますか?」
「ありますよ」
「では、こんどオーバー・ステイしたいときは・・・」
「いえ、先ほども言ったとおり、私は意図的にオーバー・ステイしたわけではなくて・・・」
「わかってますわかってます。でも、もしオーバー・ステイしたくなったら、事前に私に相談して下さい」
「・・・・・・は?」
「たった1日オーバー・ステイしただけで20ドルも払うのはもったいないでしょう?」
「・・・・・・」
「一週間もオーバー・ステイしたら大変なことになる。でしょ?」
「・・・・・・・」
「もうちょっと出せば滞在を30日延長できるようにしてあげられますから」
「・・・・・・」
「はい、これが私の名刺」
「・・・・・・」
「ご用命、お待ちしてま~す」
「・・・・・・」
感心、取り消し!
原因はオーバー・ステイである。
インドネシアでは、観光ビザで入国した場合の最長滞在許可日数は30日である。これを超えた場合、一日毎にUS20ドル(だったと思う)の罰金が科せられる。
実は数年前、某航空会社が発売している30日FIXチケットを購入、出国日をチケットの有効期限ギリギリに設定したことがあるのだが、帰国日が目前に迫り、スケジュールを確認していたときに、なにかおかしいことに気がついた。入国日から計算すると出国日は31日目に当たっていたのだ。
なんと、30日FIXチケットとは、「現地滞在最長30日」ではなく、「現地泊最長30日」だったのである。
今更慌ててもしょうがない。なにせFIXチケットであるからして、帰国日の変更は不可能。「出国審査の時に面倒なことになるだろうなぁ・・・」と、覚悟した。
そして当日、出国審査カウンターに並ぶ俺。すぐ後ろに並んだ若者に、「俺、オーバー・ステイしているから多分時間がかかると思う。早くここを通過したいなら別のレーンに並んだ方がいいぜ」と告知する。あ、俺の番だ。
若くて真面目そうな出国審査官はパラパラとパスポートをめくり、コンピュータでカチャカチャと事務的に処理を進める。賄賂の要求はない。
と、彼の手が止まった・・・
「ん?」
「(来たな・・・)何か?」
「あなた、1日オーバー・ステイしてますよ」
「(やはりそうか・・・)私もその可能性があることに気がついていました。しかし、私は○○航空が販売している30日FIXチケットで来ており、その期限が今日なんです。この30日FIXという設定は観光ビザでの滞在期限に合せてのものだと解釈しているんですが・・・」
「どの航空会社がどんなチケットを売っているのか私は知りませんし、それを把握するのは私の仕事ではありません」
「(まともなこと言うなぁ・・・)そりゃそうですよね・・・」
「事実として、あなたが入国してから本日で31日目なんです」
「それはわかります・・・」
「オーバー・ステイには罰金が課せられます」
「わかっています・・・」
「ペナルティは一日あたりUS20ドルなんですが・・・」
「知っています・・・」
「でも、先ほどの話を聞くと、あなたが勘違いしたのもわからないでもありません・・・」
「でしょ?」
「・・・どうします?払う気になれます?」
「・・・そりゃ、決まりなら払わなくちゃいけないでしょう・・・払いますよ」
「ご理解頂き、ありがとうございます」
真面目な奴である。俺は感心した。
「で、どこで払ったらいいんですか?」
「ここで払ってください」
「え?誰に払えばいんですか?」
「私に払ってください」
「は?・・・書類上の手続きは?」
「いりません」
「・・・そういうなら・・・はい、20ドル」
「ありがとうございます」
「これで問題ありませんね?」
「はい」
なんか釈然としないが、とりあえずパスポートに出国スタンプが押された。用事が済めばこんな所に長居は無用である。さっさとその場を立ち去ろうとすると、彼が後ろから声をかけた。
「あ、ちょっと待って下さい」
「何か?」
「また来る予定はありますか?」
「ありますよ」
「では、こんどオーバー・ステイしたいときは・・・」
「いえ、先ほども言ったとおり、私は意図的にオーバー・ステイしたわけではなくて・・・」
「わかってますわかってます。でも、もしオーバー・ステイしたくなったら、事前に私に相談して下さい」
「・・・・・・は?」
「たった1日オーバー・ステイしただけで20ドルも払うのはもったいないでしょう?」
「・・・・・・」
「一週間もオーバー・ステイしたら大変なことになる。でしょ?」
「・・・・・・・」
「もうちょっと出せば滞在を30日延長できるようにしてあげられますから」
「・・・・・・」
「はい、これが私の名刺」
「・・・・・・」
「ご用命、お待ちしてま~す」
「・・・・・・」
感心、取り消し!
by rosinambu
| 2008-01-23 10:48
| バリ
|
Comments(2)
Commented
by
coco
at 2008-01-23 22:24
x
ROSIさんはじめまして。
私は出国の時、ガルーダの職員に5000円払ってくれたらエグゼクティブにランクアップしてやると言われました。
搭乗口でチケットを交換するからその時私に5000円払ってくださいと。。。
ガルーダのエグゼクティブはなかなか素晴らしかったです。
ところで、semara pagulngan saih pitu の
WINDHU LESTARIの次男さんと以前BALIで日本のミュージシャンと
一緒に演奏するっていう企画を立てていて、直前に例のテロで中止になってしまったという、悲しい思い出がありました。
ROSIさんのブログを偶然見つけて、その面白さに過去の記事を読ませて頂いていたら、ニョマンの事が記事になってて・・・
懐かしいのと申し訳なさに思わず書き込みなどさせていただきました。
私は出国の時、ガルーダの職員に5000円払ってくれたらエグゼクティブにランクアップしてやると言われました。
搭乗口でチケットを交換するからその時私に5000円払ってくださいと。。。
ガルーダのエグゼクティブはなかなか素晴らしかったです。
ところで、semara pagulngan saih pitu の
WINDHU LESTARIの次男さんと以前BALIで日本のミュージシャンと
一緒に演奏するっていう企画を立てていて、直前に例のテロで中止になってしまったという、悲しい思い出がありました。
ROSIさんのブログを偶然見つけて、その面白さに過去の記事を読ませて頂いていたら、ニョマンの事が記事になってて・・・
懐かしいのと申し訳なさに思わず書き込みなどさせていただきました。
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by
rosinambu at 2008-01-24 10:13
cocoさん、はじめまして。
このブログは覚書みたいなものなので、不定期にしか記していませんが、気が向いたらたまに覗いてやってください。
そういえばニョマンもそんなような話をしていたような・・・記憶が定かではありませんが。
このブログは覚書みたいなものなので、不定期にしか記していませんが、気が向いたらたまに覗いてやってください。
そういえばニョマンもそんなような話をしていたような・・・記憶が定かではありませんが。