2016年 09月 26日
ガルンガンにレストランを開けると・・・ |
今回のバリ滞在中にガルンガンを迎えた。ガルンガンとは祖霊を天界からお招きする日で、ウク歴に則って210日に一回やってくるハレの日だ。日本で言えばお盆にあたるが、各家庭にはペンジョールという、長い竹に装飾を施したもの(祖霊が降りて来る目印の役目をしているらしい)が立てられ、子供達が獅子舞のようなバロンを引き連れて門付けに来るなど、お祭りのような賑わいを見せる雰囲気はむしろ正月に近い。ある意味、ニュピと並び、バリが最もバリらしくなる日だ。
ガルンガン当日は家族と共に過ごすのが通例で、観光地に出稼ぎに来ている奴らは田舎に帰るのが普通だ。結果的にスタッフ不足となるので、ガルンガン前後は休業するレストランやショップが多い。
(ペンジョールが林立するウブドの裏通り)
ところで。
俺のウブドでの定宿が最近レストランをオープンした。いや、正確に言えば2年程前にオープンしたのだが、運営がうまくいかず、いったん店を閉めて体制を見直し、新たに数名のスタッフを雇い、今年4月に再オープンした。
この見直しは功を奏し、ハヌマン通りの中程、通りに面しているという好立地条件、比較的良心的な値段設定、インドネシアンローカルフードからピザやスパゲティも扱うメニューの豊富さ、さらに宿泊客は15%OFFと条件が整って、西洋人を中心に結構な賑わいをみせている。
で、ガルンガンを翌日に控えた9月6日、ちょっと不安になって宿の家人に訊いてみた。
「明日(ガルンガン)はレストランは休みにするんだろ?」
「いいや?営業するけど?」
「え・・・本気?」
「ああ。なんで?」
「俺が行きつけのレストラン、あんかさや影武者はもう今日から休みだ」
「そうなの?」
「さっき、ジャワ人経営の中華レストランに行ってみたら休みだった」
「で?」
「スグリワ通りを歩いて帰って来たんだが、外国人向けのレストランは全て閉まっていた」
「だから?」
「明日はこの近辺のレストランはほとんどが休むんじゃないか?」
「ウチは宿泊客の事を考えると休むわけにいかない」
「そりゃわかるけど、凄い数の客が押し寄せるんじゃないか?」
「いいじゃん♪」
「・・・さばききれるか?」
「大丈夫じゃねぇの?」
「・・・知らんぞ・・・」
そして迎えたガルンガン当日、昼前から観光客が集まり始め、案の定正午には満席に。席は空いたそばからすぐ埋まって行く。まさに千客万来というにふさわしいが、バックヤードは鉄火場のような忙しさ。従業員のみならず、オーナー家族まで総動員で料理や空いた皿を運ぶ。
「ヤバい。ここにいると巻き込まれるぞ」と、俺は部屋に避難、3時頃様子を観に行くとようやく落ち着きを取り戻しつつあったが、既に従業員達は疲労困憊の様子だ。
「だから言わんこっちゃない」
「まいったよ。あんな凄いのは初めてだ・・・」
「夜はもっと凄い事になるぞ。メニューを減らした方がいいんじゃないか?」
「もうやったよ」
「そうか。うまく乗り切れるといいな」
「俺もそう願う」
そしてついに迎えたディナータイム。夜7時頃様子を見に行ってみると既に半分以上の席が埋まっていた。顔見知りのスタッフに混じって知らない顔がホールで働いている。
「あれ?あんな奴スタッフに居たっけ?」
「彼女は今日が初めてだ。臨時で雇ったパートタイマーだ」
「・・・初日から大変な思いをするのか・・・」
「忙しいから雇ったんだ」
「そりゃそうだろうけど・・・」
などと話をしている内にも客は押し寄せ、8時には満席に。にもかかわらず、店先でメニューを見ている観光客もいる。
こりゃまずい、と、ガルンガンのウチ飯(ガルンガンでは各家庭でお祭り料理を用意するのである)を頂き、早々に引き揚げ、今頃はすげぇ事になっているだろうな、と思いつつ部屋でビールを飲んだ。
(ガルンガンのウチ飯、定番のラワール2種、トゥム、アヤム・トゥトゥ)
そして翌日。
「昨日の夜はどうだった」
「凄かった」
「やっぱり・・・」
「11時過ぎても客が来た。満席で入れなくて、時間をおいてまた来る客が後を絶たなかった」
「・・・従業員達は大丈夫だったか?」
「あ、一人、倒れた」
「・・・」
「白目を剥いてこう仰向けに・・・意識がしばらく戻らなかった」
「・・・可哀想に・・・」
それでも宣伝してくれ、と言われたので一応宣伝します(笑)
Dewa Bungalowsに併設されたレストラン、Warung Kopi、ハヌマン通りの中程に通りに面して営業してます。ウブド散策の途中、お休み所としていかがでしょう?ほとんどの席からストリートウォッチが楽しめます。なかなか楽しいですよ。私は滞在中、ほぼ毎日、マルタバをつまみにビールを飲みながら行き交う様々な観光客の面白い行動を観察して楽しんでました。って、性格悪いですね、私。
ガルンガン当日は家族と共に過ごすのが通例で、観光地に出稼ぎに来ている奴らは田舎に帰るのが普通だ。結果的にスタッフ不足となるので、ガルンガン前後は休業するレストランやショップが多い。
(ペンジョールが林立するウブドの裏通り)
ところで。
俺のウブドでの定宿が最近レストランをオープンした。いや、正確に言えば2年程前にオープンしたのだが、運営がうまくいかず、いったん店を閉めて体制を見直し、新たに数名のスタッフを雇い、今年4月に再オープンした。
この見直しは功を奏し、ハヌマン通りの中程、通りに面しているという好立地条件、比較的良心的な値段設定、インドネシアンローカルフードからピザやスパゲティも扱うメニューの豊富さ、さらに宿泊客は15%OFFと条件が整って、西洋人を中心に結構な賑わいをみせている。
で、ガルンガンを翌日に控えた9月6日、ちょっと不安になって宿の家人に訊いてみた。
「明日(ガルンガン)はレストランは休みにするんだろ?」
「いいや?営業するけど?」
「え・・・本気?」
「ああ。なんで?」
「俺が行きつけのレストラン、あんかさや影武者はもう今日から休みだ」
「そうなの?」
「さっき、ジャワ人経営の中華レストランに行ってみたら休みだった」
「で?」
「スグリワ通りを歩いて帰って来たんだが、外国人向けのレストランは全て閉まっていた」
「だから?」
「明日はこの近辺のレストランはほとんどが休むんじゃないか?」
「ウチは宿泊客の事を考えると休むわけにいかない」
「そりゃわかるけど、凄い数の客が押し寄せるんじゃないか?」
「いいじゃん♪」
「・・・さばききれるか?」
「大丈夫じゃねぇの?」
「・・・知らんぞ・・・」
そして迎えたガルンガン当日、昼前から観光客が集まり始め、案の定正午には満席に。席は空いたそばからすぐ埋まって行く。まさに千客万来というにふさわしいが、バックヤードは鉄火場のような忙しさ。従業員のみならず、オーナー家族まで総動員で料理や空いた皿を運ぶ。
「ヤバい。ここにいると巻き込まれるぞ」と、俺は部屋に避難、3時頃様子を観に行くとようやく落ち着きを取り戻しつつあったが、既に従業員達は疲労困憊の様子だ。
「だから言わんこっちゃない」
「まいったよ。あんな凄いのは初めてだ・・・」
「夜はもっと凄い事になるぞ。メニューを減らした方がいいんじゃないか?」
「もうやったよ」
「そうか。うまく乗り切れるといいな」
「俺もそう願う」
そしてついに迎えたディナータイム。夜7時頃様子を見に行ってみると既に半分以上の席が埋まっていた。顔見知りのスタッフに混じって知らない顔がホールで働いている。
「あれ?あんな奴スタッフに居たっけ?」
「彼女は今日が初めてだ。臨時で雇ったパートタイマーだ」
「・・・初日から大変な思いをするのか・・・」
「忙しいから雇ったんだ」
「そりゃそうだろうけど・・・」
などと話をしている内にも客は押し寄せ、8時には満席に。にもかかわらず、店先でメニューを見ている観光客もいる。
こりゃまずい、と、ガルンガンのウチ飯(ガルンガンでは各家庭でお祭り料理を用意するのである)を頂き、早々に引き揚げ、今頃はすげぇ事になっているだろうな、と思いつつ部屋でビールを飲んだ。
(ガルンガンのウチ飯、定番のラワール2種、トゥム、アヤム・トゥトゥ)
そして翌日。
「昨日の夜はどうだった」
「凄かった」
「やっぱり・・・」
「11時過ぎても客が来た。満席で入れなくて、時間をおいてまた来る客が後を絶たなかった」
「・・・従業員達は大丈夫だったか?」
「あ、一人、倒れた」
「・・・」
「白目を剥いてこう仰向けに・・・意識がしばらく戻らなかった」
「・・・可哀想に・・・」
それでも宣伝してくれ、と言われたので一応宣伝します(笑)
Dewa Bungalowsに併設されたレストラン、Warung Kopi、ハヌマン通りの中程に通りに面して営業してます。ウブド散策の途中、お休み所としていかがでしょう?ほとんどの席からストリートウォッチが楽しめます。なかなか楽しいですよ。私は滞在中、ほぼ毎日、マルタバをつまみにビールを飲みながら行き交う様々な観光客の面白い行動を観察して楽しんでました。って、性格悪いですね、私。
by rosinambu
| 2016-09-26 19:36
| バリ
|
Comments(4)
Commented
by
suling
at 2016-09-26 08:50
x
>行き交う様々な観光客の面白い行動を観察
一度空港へ、身内のピックアップに行った事があります。
名前を書いたプラカード(紙)を持ってドライバーが沢山待っている側から見ると、正にソレでした(*´▽`*)
アジア系の、とある国の女性にありがちな、花で飾られたリゾート帽にセレブ風着こなせず(-.-)思いっきり背伸びの雰囲気作りをした出で立ち…悪いけれど失笑(≧▽≦)
「こんな風に見えていたんだ…」と、ちょっと恥ずかしくなりました。
一度空港へ、身内のピックアップに行った事があります。
名前を書いたプラカード(紙)を持ってドライバーが沢山待っている側から見ると、正にソレでした(*´▽`*)
アジア系の、とある国の女性にありがちな、花で飾られたリゾート帽にセレブ風着こなせず(-.-)思いっきり背伸びの雰囲気作りをした出で立ち…悪いけれど失笑(≧▽≦)
「こんな風に見えていたんだ…」と、ちょっと恥ずかしくなりました。
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by
rosinambu at 2016-09-26 15:38
まぁ、なんつーか、たまにいるもの凄い出で立ちの観光客を見て「おまえ、その格好、自分の国でやってみろ」って思う事、ままありますよね。開放感に歯止めがかからなくなった、とでも言うべきか。今回もアメリカ・インディアンのかぶり物をした女性に出くわしました。そんなもん、どこに売ってたんだ?
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tidakapa-apa at 2016-09-26 22:27
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rosinambu at 2016-09-27 15:05
確かに皿は洗いましたが(笑)手伝わされた、というより、ガルンガンのウチ飯を食べ終わった皿を洗い場に置きにいったところ、大量の汚れた皿が積み上がっているのに洗い場には誰もおらず、「仕方ねぇなぁ」と、自主的に洗っていたのですが、次から次へと皿が運ばれてくるのできりのいい所で逃げた、というのが正しいっすね。