2012年 09月 19日
楽しいインドネシア語(の、教材) |
実は、インドネアに通うようになって20年近くが経とうというのに、まともにインドネシア語を勉強した事が無い。辞書すら持っていない。
昔の話である。
初めてバリに赴くにあたり、日本で某出版社から発売されている簡便なインドネシア語会話集を購入した。なにせ初めての地、俺の拙い英語で全て押し通すには不安があった。
にわか勉強をすべく、バリに向かうガルーダの機内で読んでいたところ、インドネシア人のキャビンアテンダントが「何を読んでいるの?」と、話しかけて来たので本を渡した。彼女はしばらくページをめくっていたが、そのうち笑い出して、同僚たちを呼び、キャーキャー笑いながら盛り上がっていた。
「この本、オモスロイネー」
バイブルのつもりで購入した会話集は、誤記だらけで、ネイティブから見ればネタの宝庫だったようだ。
しかし、どの会話集がまともかどうかなんてインドネシア語が理解できない俺には解る筈も無い。他の会話集を購入しても、もっと『オモスロイ』かもしれないのだ。そういうわけで、結局は「オモスロイ」会話集に頼るしかなく、何回かバリに持って行きつつ、「アパ・カバール」「スラマ・パギ」「スラマ・シアン」「スマラ・マラム」「ジャランジャラン」以外はほとんど英語で通していたそんなある時、逗留先の主人に、「そろそろインドネシア語で話してみたらどうだ?」と促された。
「そうは思っているんだけど、いい教材がなくて」
「お前が使っている本を見せてみろ」
俺は例の「オモスロイ」本を手渡した。
彼はしばらく難しい顔でページをめくっていたが、そのうち肩が震え出し、家人たちを呼んでみんなで爆笑していた。
ここまで受けを取れるなんて、編集者も本望だろうよ。
「おい、この本で勉強しちゃダメだ。うはははは」
「そんなに変なのか?」
「めちゃくちゃだ。こんな話し方をする奴はいない。わはははは」
「・・・どうしたらいんだろう?」
「おまえの間違いは、日本人がインドネシア語を勉強する為の会話集を買ったことだ」
「そうは言っても、それしか手がないじゃないか」
「だから、逆に考えるんだ」
「え?」
「インドネシア人が日本語の勉強をする為の会話集で勉強するんだ」
「なるほど。それならインドネシア語は正しいな」
「使われている文字はアルファベットだけだから、判り易いだろう」
「そうだな」
「今日、デンパサールに行く用事があるから一緒に来い。教材を選んでやる」
「そうか。よろしく頼む」
(写真と本文は全くなぁ〜んにも関係ありません)
と、いうわけで入手したNICHIJOO NIHONGO KAIWAなる本、先ずインドネシア語の短い会話が、続いてそれを日本語に訳した会話がローマ字で記されていた。
そして、ある訳文。(原本が手元にないので記憶である。また、便宜上日本語で記すが、これらは全てアルファベットで記されている)
「あなたは数学と物理と科学の試験に合格しましたか」
「私は数学と物理と科学の試験に合格しませんでした」
「その試験は難しかったですか」
「たいへん易しかったです」
「では、なぜ合格しませんでしたか」
「多分、あの先生は私が嫌いです」
「そうですか」
「公平じゃない。公平じゃない」
「もうそのことは考えないで下さい。楽しいことを考えて下さい」
「わかりました」
「さぁ、面白い犬と猿を観に行きましょう」
・・・なんなんだこれは・・・
この本も信用できねぇ・・・
昔の話である。
初めてバリに赴くにあたり、日本で某出版社から発売されている簡便なインドネシア語会話集を購入した。なにせ初めての地、俺の拙い英語で全て押し通すには不安があった。
にわか勉強をすべく、バリに向かうガルーダの機内で読んでいたところ、インドネシア人のキャビンアテンダントが「何を読んでいるの?」と、話しかけて来たので本を渡した。彼女はしばらくページをめくっていたが、そのうち笑い出して、同僚たちを呼び、キャーキャー笑いながら盛り上がっていた。
「この本、オモスロイネー」
バイブルのつもりで購入した会話集は、誤記だらけで、ネイティブから見ればネタの宝庫だったようだ。
しかし、どの会話集がまともかどうかなんてインドネシア語が理解できない俺には解る筈も無い。他の会話集を購入しても、もっと『オモスロイ』かもしれないのだ。そういうわけで、結局は「オモスロイ」会話集に頼るしかなく、何回かバリに持って行きつつ、「アパ・カバール」「スラマ・パギ」「スラマ・シアン」「スマラ・マラム」「ジャランジャラン」以外はほとんど英語で通していたそんなある時、逗留先の主人に、「そろそろインドネシア語で話してみたらどうだ?」と促された。
「そうは思っているんだけど、いい教材がなくて」
「お前が使っている本を見せてみろ」
俺は例の「オモスロイ」本を手渡した。
彼はしばらく難しい顔でページをめくっていたが、そのうち肩が震え出し、家人たちを呼んでみんなで爆笑していた。
ここまで受けを取れるなんて、編集者も本望だろうよ。
「おい、この本で勉強しちゃダメだ。うはははは」
「そんなに変なのか?」
「めちゃくちゃだ。こんな話し方をする奴はいない。わはははは」
「・・・どうしたらいんだろう?」
「おまえの間違いは、日本人がインドネシア語を勉強する為の会話集を買ったことだ」
「そうは言っても、それしか手がないじゃないか」
「だから、逆に考えるんだ」
「え?」
「インドネシア人が日本語の勉強をする為の会話集で勉強するんだ」
「なるほど。それならインドネシア語は正しいな」
「使われている文字はアルファベットだけだから、判り易いだろう」
「そうだな」
「今日、デンパサールに行く用事があるから一緒に来い。教材を選んでやる」
「そうか。よろしく頼む」
(写真と本文は全くなぁ〜んにも関係ありません)
と、いうわけで入手したNICHIJOO NIHONGO KAIWAなる本、先ずインドネシア語の短い会話が、続いてそれを日本語に訳した会話がローマ字で記されていた。
そして、ある訳文。(原本が手元にないので記憶である。また、便宜上日本語で記すが、これらは全てアルファベットで記されている)
「あなたは数学と物理と科学の試験に合格しましたか」
「私は数学と物理と科学の試験に合格しませんでした」
「その試験は難しかったですか」
「たいへん易しかったです」
「では、なぜ合格しませんでしたか」
「多分、あの先生は私が嫌いです」
「そうですか」
「公平じゃない。公平じゃない」
「もうそのことは考えないで下さい。楽しいことを考えて下さい」
「わかりました」
「さぁ、面白い犬と猿を観に行きましょう」
・・・なんなんだこれは・・・
この本も信用できねぇ・・・
by rosinambu
| 2012-09-19 19:59
| バリ
|
Comments(4)
Commented
by
tidakapa-apa at 2012-09-19 22:20
わたし、その本欲しくなりました★
なるほど、インドネシア人の為の日本語会話集かぁ・・・気がつかなかった!
なるほど、インドネシア人の為の日本語会話集かぁ・・・気がつかなかった!
0
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by
rosinambu at 2012-09-20 07:06
いやぁ、勧められないなぁ。やはり現地で生のインドネシア語を勉強するのが一番です。
いや、その、日本語の教本、最高ですね!
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by
rosinambu at 2013-07-06 12:01
Keiichiさん、初めまして。
先日、NICHIJO NIHONGO KAIWA、原本を見つけましたが、読み直してみたところ、ちょっと記憶と違ってました。原本の方が数倍面白いです。
先日、NICHIJO NIHONGO KAIWA、原本を見つけましたが、読み直してみたところ、ちょっと記憶と違ってました。原本の方が数倍面白いです。